西湘バイパス(1)
時々コラムももうすぐ4年目、マンネリ化してきた気配もあるのでちょっと嗜好を変えて(?)
高校時代によく読んだ、片岡義男風に連載...。(独りよがりでアシカラズ)
春を感じさせる日差しの中を、何台もの車が走っていく。
今、横浜と箱根を海岸で結ぶこのバイパスを、一台のオートバイが西に向かい走っていた。
総排気量1,449CCのこのバイクは、濃紺のボディをあらゆる箇所にクロームメッキをほどこし、いかにも贅沢な、それでいて洗練された美しさを兼ね備えていた。
サイドを42oにカットした2本のマフラーからは、不規則なリズムで爆音に近いエンジン音をたやさない。
おそらく数年前には、最新鋭と言われていたであろう水冷2気筒V型ツインエンジンだ。
しかし、その性能は未だに衰えをみせていない。
...オートバイはその大きな車体をゆっくりと左に傾け、海岸沿いのサービスエリアの中に入ってきた。
車で埋まる駐車スペースを旋回しながら、防波堤に一番近い空きスペースにバイクを入れサイドスタンドで車重をささえた。
エンジンを止めメルメットを脱ぎ取ると、走っている時の緊張感から一気に解放される。
イグニションからキーを抜き、ブルージーンズの尻ポケットにしまうと、革のジャンバーから少しよれかかったタバコのソフトパッケージを取り出した。


